バスケの観戦をしていると、試合時間と別に24秒からカウントダウンされるタイマーがあることに気がつくと思います。
そのタイマーこそが、バスケの中でも複雑だとされている「24秒ルール」を計測しているタイマーです。
今回は、プレイヤーの中でも理解しきれないという方もいる、「24秒ルール」について、初心者にもわかるように、シンプルな形で徹底解説します。
24秒ルールとは
バスケットボールの競技ルールにおいて、設定されている「24秒ルール」とは、ボールを保持する攻撃側のチームが、ボールを保持してから24秒以内にシュートを打たなければならないというルールです。
シンプルに言えば、24秒以内に攻撃を終える必要があるということですが、ただ単にシュートを放てばいいということではなく、24秒以内に放ったシュートが、「入る or リングに当たる」ことで、攻撃を終えたとみなされます。
そのため、シュートに見えてもリングに当たらず、24秒タイマーが0になった場合には、バイオレーションとなり、相手ボールから試合が再開されます。逆に言えば、シュートに見えなくても、リングに当たればOKとなります。
シュートまでの時間を計測しているため、「ショットクロック」とも言われています。
24秒以内の基準ですが、「24秒タイマーが0になる前に、ボールが手から離れていればOK」です。そのため、ブザーが鳴る前にシュートが放たれていれば、ブザーの後にリングに当たって外れたり、シュートが決まったとしても、そのまま試合は継続されます。
24秒ルールができた歴史
画像出典:https://vlog.gca.bz/2020/08/23/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%83%B3/
24秒ルールができた理由は、試合をスピーディに進め、攻守の移り変わりを早くすることが目的となったためです。
NBAができた1950年代に、1試合をおえて18-19という驚愕するほどのロースコアゲームがありました。
なぜこんなにもロースコアだったのかというと、ジョージ・マイカンというスーパースターにボールを持たせないために、相手チーム(ピストンズ)は、ひたすら自分たちのボールとして保持をして、ただただチームメイトとの間でボールを回し続けたからでした。
この試合に、多くのファンから抗議の声が寄せられ、NBAに24秒ルールが導入される運びとなりました。またその後に、国際ルールに30秒ルールが導入され、2001年より国際ルールでも30秒から24秒ルールが導入されることとなりました。
24秒ルールと14秒ルール
24秒ルールのショットクロックは、24秒へのリセットだけではなく、14秒にリセットされることがあります。
これは、さらに試合のスピードを早くし、ゲーム展開を早くすることで観戦者に見応えのあるバスケの試合を楽しんでもらおうという意見から始まったルールで、国際ルールには2010年から公式ルールに加わりました。
24秒にリセットするのか、14秒にリセットするのかというところが、一番24秒ルールの中で複雑なところですので、次の章で詳細に解説します。
24秒ルールのストップ・スタート・リセットの基準
ここからは、24秒ルールで一番複雑な、ストップ・スタート・リセットの基準について解説させていただきます。
24秒ショットクロックのスタート
24秒ルールがリセットされて、24秒からカウントダウンが始まるのは、簡単に言えば、攻撃側のチームが変わり、片方のチームが完全にボールを保持した瞬間になります。
「完全にボールを保持」する必要があるため、どちらのボールかわからなかったり、ルーズボールになっていたりすると、それまで流れていた24秒の時計は止まらず、継続されます。ディフェンスの選手がボールに触れるだけではダメで、完全に保持した瞬間に24秒がスタートします。
24秒ショットクロックのストップ
24秒タイマーがストップするのは、攻撃側のボール保持という事は変わらない状態で、アウトオブバウンズ(ボールがコートの外に出た場合)は、基本的に24秒計は一旦ストップされます。
オフェンス側のドリブルをディフェンスの選手がカットしたけれども、保持できずにコートの外に出た場合などが、このケースに当てはまります。
24秒ショットクロックのリセット
基本的な24秒ルールのリセットは、先述したスタートと同じく、攻撃のチームが変わった瞬間です。しかし、このリセットの部分で一部14秒ルールと関わってきますので、細かく表を使って説明します。
ディフェンスリバウンドをとった | 24秒にリセット |
オフェンス側のバイオレーション | 24秒にリセット |
オフェンスファウル | 24秒にリセット |
ボールカットによって攻守交代 | 24秒にリセット |
オフェンスリバウンドをとった | 14秒にリセット |
バックコートでのディフェンスファウル | 24秒にリセット |
フロントコートでのディフェンスファウル | 14秒を切っていれば14秒にリセット |
フロントコートでのディフェンスファウル | 14秒を切っていなければ継続 |
この中で一番複雑なのは、ディフェンス側がファウルをした場合の処理です。
コートの場所やショットクロックの残り秒数によってリセットする時間が変わるので、できるだけ覚えていただけるといいかなと思います。
ショットクロックが24秒ではないリーグについて
ここまで解説させていただいた24秒ルールですが、ショットクロックが24秒ではないリーグが存在していますので、少しだけご紹介します。
NCAA(アメリカの大学リーグ)
世界から優秀な大学生が集まるアメリカの大学バスケリーグNCAA。
日本では、八村選手の活躍で何度か報道されましたが、NCAAは多くの独自ルールを取り入れており、ショットクロックは35秒ルールという特殊な時間を使っています。14秒のようなリセットの複雑さはなく、必ず35秒になります。
ミニバス
日本の小学生がプレイするミニバスも、国際ルールとは大きく違うルールを採用しており、ショットクロックは30秒で設定されています。ミニバスも14秒ルールは存在しません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
24秒ルールやショットクロックのルールについて解説してきました。このルールはバスケのルールの中でも一番複雑と言っても過言ではないルールです。
しかし、その複雑とは違い、ゲームには何度もブザーがなるようなルールのため、覚えておくと今後の観戦が楽しくなるでしょう。
まずは、ストップ・リセット・継続の基準と秒数を覚えておきましょう。
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