バスケットボールを見始めたばかりの方にとって難しいルールの一つとして、「チームファウル」というものがあります。
バスケの試合で、筒で表示されていたり、タイマーやボールなどで数字で表示されていたりしますが、パーソナルファウルというルールもあるため、初心者がすっと理解するのは難しいかもしれません。
今回は、バスケの重要なルールである「チームファウル」について、初心者でも簡単に理解できるように解説します。
チームファウルとパーソナルファウルの違い
まず、バスケ観戦初心者の方が混乱しやすいチームファウルとパーソナルファウルの違いについて解説します。
パーソナルファウルは、1試合を通して1人の選手が犯したファウルの数を指しており、1試合で5回ファウルを犯すとその選手は退場になるというルールになっています。
チームファウルは、各クォーターで集計されるもので、各チームがそのクォーターで何回ファウルを犯したのか(所属選手のファウルの数)を集計しておくものです。各クォーターでの集計となるので、クォーターが終わる度にリセットされます。
ここで理解いただきたい部分は、各選手の個人ファウル(パーソナルファウル)は、試合通して集計。チームファウルは、各チームのファウル数を各クォーターで集計しているものということです。
チームファウルのルール
チームファウルを集計しているのはどんなルールのためなのかをご紹介します。
どんなファウルでも集計される
チームファウルは、そのクォーターにチームが犯したファウル数をカウントしていきます。通常のパーソナルファウルだけではなく、アンスポーツマンライクファウルやテクニカルファウル、ベンチテクニカルファウルなども集計されます。ちなみに、集計される数は「0〜5」で、ルール上5以上を集計する必要がないため、そのクォーターで6回、7回とチームファウルがあったとしても表示上は「5」で表示されます。
チームファウル5以上で相手にFT
チームファウルのルールの大枠は、チームファウルが5回に到達してからファウルを犯した場合、シュート中のファウルかどうかに関わらず相手チームに2本のフリースローが与えられるというものです。これは、シュート中のファウルであれば、それが優先されるため3Pシュートへのファウルの場合は通常の通り、フリースローが3本与えられますし、プラスで2本が与えられるということはありません。
フリースローが与えられない例外
チームファウルが5個に到達しても、例外としてオフェンスファウルであった場合には相手チームにフリースローが与えれることはありません。しかし、1〜4個のチームファウルであった場合、チームファウルへの加算だけはされます。
チームファウルを上手く使う戦術
チームファウル5個を超えた場合の相手チームへのフリースローは基本的に「罰則」として与えられますが、有効的に使う戦術があります。
それは、相手チームにフリースローが苦手な選手がいる場合で、自分たちのチームが負けており時間が少なくなってくることを危惧した場合にとり得る戦術となります。
自分たちが負けている場合で追いつこうとする場合には、相手チームよりも多い得点をとり続ける+多くの回数攻撃チャンスを得る必要があります。その点において、通常の戦いを続けていると、相手チームに時間を使われてしまいますし、それまでの店の取り合いで勝てていなかったためにその時点で負けていると言えます。そのため、戦い方などを変える必要性が出てくるのですが、チームファウルで相手チームにフリースローを与えるという罰則を上手く使う形が戦術となります。
具体的には、フリースローが苦手な選手にわざとファウルをします。そうすると時間を使わずに相手選手にフリースローを与えることとなりますが、フリースローが苦手な選手であれば、2点を簡単に取られてしまうリスクに対して、2本のうち1本は外れるという期待を持つことができます。1本外してくれさえすれば、自分たちの攻撃で2点のシュートを決め続けることができるだけで点差が詰まっていくのです。
このように、ルール上は罰則なのですがフリースローが苦手な選手に対してわざとファウルしてフリースローをさせるという戦術が実際に存在しています。
チームファウルに関する形だけではありませんでしたが、かつてNBAを圧倒的なパワーで制圧していたシャキール・オニールにわざとファウルしてフリースローを打たせる戦術を「ハック・ア・シャック」と呼び、語呂が良かったことから、ターゲットにする選手によって、「ハック・ア・ベン」などと呼び方が変えられます。
ちなみにこの戦術は、シャキールオニールに対するものが初めではなく、シカゴブルズとの対戦で失点をできるだけ減らすためにダラス・マーベリックスが始めたことが起源とされています。
まとめ
ではチームファウルについてまとめます。
- チームファウルは1チームの各クォーターでのファウルの数
- チームファウルが5を超えると相手チームにフリースロー2本が与えられる
- オフェンスファウルはファウルにカウントされるがフリースローは与えられない
- フリースローの罰則が逆に戦術として使われることがある
という形です。チームファウルの使い方まで理解できると非常にバスケットボールの試合を深く理解できると思いますので、ぜひ「ハック」まで理解できるように観戦を続けていただければと思います。
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