バスケの観戦をしていると、観客や選手がたまに「アンスポ」という単語が聞こえてきます。
「アンスポ」とは、バスケのファウルの1種で、正式名称を「アン・スポーツマン・ライク・ファウル」と言います。
今回は、バスケ観戦初心者、プレーヤー初心者の方に向けて、「アン・スポーツマン・ライク・ファウル」の概要と適用される具体的な状況、例外、退場のルールについて解説します。
アンスポって何?
冒頭にも少し記載しましたが、バスケの世界で「アンスポ」と呼ばれているものの正式名称は「アン・スポーツマン・ライク・ファウル」というファウルの1種であり、通常のパーソナルファウルよりも重いペナルティが与えられます。まずはここで概要と罰則についてご紹介します。
アンスポの概要
アン・スポーツマン・ライク・ファウルを日本語に直訳すれば、”スポーツマンらしくないファウル”となり、暴力行為に近いファウルや、危険なファウル、故意にファウルをして相手を妨害した場合など、スポーツマンシップに反すると見做された場合に、コールされるファウルとなっております。
このとき審判は、片方の手首をもう片方の手で掴み、上に上げるジェスチャーをします。 ファウルの名前が長いため、基本的には「アンスポ」と呼ばれています。
アンスポの罰則
アンスポをコールされてしまうと、通常のパーソナルファウルよりも重い罰則が与えられ、アンスポをコールされた相手チームに「フリースロー2本」と「ハーフラインからの相手ボール」という2つの罰が与えられます。。
シュート中のファウルではなくても、相手にフリースローが2本与えられます。
ちなみに、アンスポがシュート中に行われ、シュートが成功している場合には、そのシュートの得点がカウントされ、プラスで1本のフリースローが与えられ、ハーフラインのスローインからスタートになります。
インテンション?アンスポ?
実は、アン・スポーツマン・ライク・ファウルという名称は、1995年4月から変わってついた名前で、以前は「インテンショナルファウル」という名称でした。
当時の略称は、”インテンション”で、審判のジェスチャーや罰則は同じです。そのため、年配のバスケファンの方には、アンスポの場面で、インテンションと叫んでいる方も見受けられます。少しだけ適用条件が追加されていますが、“インテンション” = 現在の”アンスポ”とみて間違いありません。
アンスポはどんなときに適用される?
概要から説明すれば、スポーツマンらしくないものがアンスポということでしたが、少し理解しにくいと思いますので、具体的に適用される代表的な場面を3つほどご紹介します。
ジャンプしている相手の下に入った
ボールを持っている選手がレイアップなどを狙っていて、ディフェンスしようと近づきます。しかし、間に合わず、走って行ったが、ブロックするのをギリギリで諦めて走り抜けると、レイアップする選手の下に走り込むことになります。
ジャンプしている選手は、無事に着地しなければ、大怪我につながるため、このような場合にアンスポをコールされることがあります。ルール上は、接触していることが要件になっていますが、完全な接触だけではなく、空中の選手がギリギリで避けた場合など、審判が危険だと判断すれば、アンスポがコールされることがあります。
ボールを無視して相手にファウルをする
バスケットボールは基本的に、ボールをゴールに入れた得点数を競う競技ですので、ボールに向かっているプレイは、競技の方針に沿うため、ぶつかり合いもある程度許容されます。しかし、ボールを持っている選手のボールではなく、明らかに身体に故意にファウルを仕掛けたりした場合などは、アンスポをコールされる場合があります。
相手の速攻を故意にファウルで止めた場合
2009年に追加された、アンスポの適用条件になります。オフェンス側が速攻を仕掛けているが、ディフェンス側がファウルをして止めた状態で、ファウルをした選手よりも後ろにディフェンス側の選手が1人もいない場合で、故意にファウルで速攻を止めたと判断された場合には、アンスポがコールされます。ファウルで止めなければ得点が入ったはずなのに、シュート中ではない状態でファウルされたために、得点が止められたという構図が、スポーツマンらしくないとみられるためです。
もちろん、これ以外にも肘を使ったり、小突いたり危険なプレイやボール以外の接触の場合など、アンスポがコールされる可能性のある行為はありますが、試合中によくあるのは、上記3つのパターンです。
ファウルゲームには適用される?
ファウルゲームの適用は次の2パターンで適用か非適用かが分れます。
スローイン前のファウル
ファウルゲームは基本的に第4ピリオドの残り1分前後から行われる、わざとファウルをして時間を止める戦略ですが、試合時間残り2分以下のタイミングで、スローイン前にファウルをしてしまうと、アンスポの適用になります。そのため、ファウルゲームでスローイン前にファウルをしてしまうと、アンスポがコールされてしまします。
スローイン後のファウル
ファウルゲームの場合、速攻の状態ではなく、危険な形でのファウルをそこまで行われないため、故意にファウルをしてもアンスポが適用されることはほぼありません。
退場には影響する?
バスケットボールは、パーソナルファウルを5回するとその試合は退場処分となりますが、アンスポは通常のパーソナルファウルよりも重い罰則のため、退場の基準も少し違います。
アンスポを1つのみ記録していた場合
重いファウルをアンスポ1つだけしていた場合には、パーソナルファウルが合計4回に到達すれば、退場となります。合計5回のファウルとなりますので、通常の5ファウルと同等の扱いを受けます。
アンスポを2つ記録した場合
アンスポを1試合で2つ記録した場合には、その時点で退場処分になります。たとえアンスポ2個以外のファウルをしていなかったとしても、アンスポは2回で退場になります。
テクニカルファウルとアンスポを1つずつ記録した場合
アンスポと並ぶ思い罰則のあるファウルが、テクニカルファウルです。審判に文句を言ったりすると、コールされるファウルですが、1試合でテクニカルファウルとアンスポの両方がコールされると、退場処分となります。
最後に
いかがでしたでしょうか。
アンスポは危険なプレーの場合には、大体分かるのですが、速攻を止めたパターンや、
ボール以外のプレーへのアンスポなどは、何が起きたのかわからないことも珍しくありません。
アンスポが適用される基準を覚えて、プレーや観戦ができるとよりバスケを楽しめると思います。
コメント