バスケ界最強の選手として名が通っており、高校時代から注目され、プロでも「キング」と呼ばれている選手が「レブロン・ジェームズ」です。
筋骨隆々な鋼の肉体と並外れた身体能力、NBAでも高水準のバスケIQをもった史上最高のオールラウンダーです。
このページでは、そんなレブロン・ジェームズが何がすごいのか?について、凄さを言語化して解説していきます。
レブロン・ジェームズのプロフィール
名前:レブロン・レイモン・ジェームズ・シニア
出身:オハイオ州アクロン
ポジション:SF,PF,PG
身長:206cm
生年月日:1984年12月30日
身体のサイズもNBAでも一流でありながら、プレースタイル・プレーの幅が広く様々なポジションでプレーすることが可能になる点が選手としての大きな特徴です。また、年代によってプレースタイルが少しずつ変化しているのも大きな特徴ですので、レブロンの年代別の遍歴を見ていきます。
学生時代(高校時代)
レブロンは、高校時代から非常に有名な選手となっており、セント・ビンセント=セント・メアリー高校では在学4年間で3度州のチャンピオンになっています。
レブロンを見るために高校生の試合ながら満員になるほどの観客が押し寄せ、試合も全米中継されたり、バスケットボール専門雑誌の表紙を高校生が単独で飾るなど、異常なほどの人気を博しました。
レブロンが高校を卒業するタイミングでは、大学進学やプロでの経験がNBA入りの必須条件ではなかったことから高校卒業と同時にNBAドラフトにエントリーすることとなります。
【NBA入り】クリーブランド・キャバリアーズ(第1期)
高校生ながらNBAドラフトで全体1位指名を受け、一度もNBA制覇を成し遂げたことのないクリーブランド・キャバリアーズに入団します。
デビュー当初から期待された通りのオールラウンドな活躍をみせ、新人王を獲得。NBA3年目には低迷していたチームをプレーオフに導き、翌年にはほぼ独力でNBAファイナルまでチームを導いていきます。
独力という言葉が合うように、この時期にはシーズンを通して得点、アシスト、リバウンド、ブロック、スティールの主要5部門でチーム1位になるなど、チームのほぼ全てをレブロンが行っているという状況でした。
また、シーズンMVP獲得など個人成績として圧倒的な成績を誇り、チームもシーズンで60勝以上を挙げるなど、優秀な成績を残しながらも優勝には届かないという状態で「優秀だがチームを勝たせられない選手」というレッテルを貼られるようになります。
【決断】マイアミ・ヒート
レブロンは無制限フリーエージェントとなり数多くのチームから声がかけられる中、ESPNの特別番組でマイアミヒートとの契約を発表しました。当時のマイアミには、アメリカ代表に入るレベルであるNBAドラフト同期のクリス・ボッシュやドウェイン・ウェイドがおり、レブロンの移籍はNBAの勢力図を大きく書き換えることとなりました。
The Decisionと呼ばれるこの決断は、世界のスポーツ界でも稀に見る大騒動となり、世界中から「レブロンは勝利のためにチームを捨てた裏切り者」かのように批判を浴びましたが、結果的にレブロンはマイアミで2度のNBAチャンピオンを経験。
また、身体能力の全盛期がこの頃であり、ハイレベルなスタッツだけでなく、歴史上に残るハイライトシーンをいくつもみせる一方、ディフェンスでも非凡さをみせ全てのポジションを守るなど、NBA界を席巻しました。
【王の帰還】クリーブランド・キャバリアーズ(第2期)
マイアミにて優勝を経験したレブロンは、古巣キャブスに復帰を発表。ケビン・ラブや歴代屈指のハンドラーであるカイリー・アービングと共に新生BIG3を結成してチームを牽引。NBAファイナルまでチームを導きます。
レブロンがキャブスに復帰したころ、NBAではゴールデンステイト・ウォリアーズが王朝を築いている時代であり、レブロンがキャブス復帰後はほぼ毎年のようにNBAファイナルでは、キャブス vs ウォリアーズのカードが実現することとなります。
無敵艦隊とも呼ばれたレギュラーシーズン史上最高の73勝9敗の記録を持っていたウォリアーズを撃破し、チームを史上初のNBAチャンピオンに導き、自身の地元オハイオ州に初のNBA優勝をもたらすこととなりました。
その後もNBAファイナルまで進むことが多かったものの、チームメイトのミスなどもあり優勝までは手が届かずに移籍を決断することとなります。
【名門への加入】ロサンゼルス・レイカーズ
キャブス時代の契約を破棄してフリーエージェントとなり、NBA界で最も有名なチームといっても過言ではない超名門のロサンゼルス・レイカーズへ加入。長年チームのアイコンであったコービー・ブライアントが引退したすぐ後であったことから、チームを勝利に導く立役者としての期待がかけられていました。
結果的には新型コロナウィルス蔓延によって、通常とは違う形での開催になったものの、コービーが事故によって亡くなった2019-20シーズンにレイカーズをNBAチャンピオンに導いてミッションを達成。NBAでの在籍歴が長くなったことから、数々の歴代記録をレイカーズの選手として達成しています。
レブロンの何がそんなにすごいのか
レブロンは2024年時点で未だ現役ながら、すでに伝説かつ史上最高の選手の1人として語られています。では、レブロンの何がそんなにすごいのかについて、5つのポイントで紹介します。
- 異常なほどの身体能力
- 並外れたバスケIQ
- 桁外れの身体管理
- チームや時代に合わせたプレースタイルの変化
- なんでもできるオールラウンド性
1つずつ見ていきます。
異常なほどの身体能力
レブロンは、NBAだけでなくすべてのアスリートの中でも最も身体能力の高い選手と呼ばれるほど高い身体能力を持っています。垂直飛びで100cmを超え、最高到達点が374cmです。また、100m走で11秒未満で走れるほどのスピードで動くことができます。
身体のサイズも相まって本気で動きすぎるとゴールやボードに頭をぶつけるため、基本的には7割ほどの力でプレーしていると語るほどの身体能力を誇ります。206cmで筋骨隆々な選手がこれほどの身体能力を持っていたらそりゃ止められません。
事実としてレブロンは20年以上世界最高峰のバスケリーグでプレーしていますが、彼を完璧に封じ込められる選手・チームはほとんど存在していません。
並外れたバスケIQ
レブロンといえば、派手なハイライトプレーに目がいってしまいますが、プレーしている姿をしっかりと見ていると桁外れのバスケIQを持っていることもわかります。特にディフェンス時に相手チームのプレーを予測する能力は並外れており、レブロンが支持した場所にほぼ必ず相手チームがボールを集めます。
身体能力だけでなく、バスケットボールという競技を知り尽くしているからこそ、正しい選択をすることができ活躍し続けられるのです。
桁外れの身体管理
レブロンは、自身の身体管理に年間で1億円以上投資しているとも言われており、ハイパフォーマンスを20年以上もし続けている背景には、徹底した身体管理があります。
事実としてNBAデビューから20得点、5アシスト、5リバウンドを下回ったシーズンが1度もなく、それでいながらほぼ毎シーズン50試合以上出場し続けており、怪我をしない身体を作りながら高い身体能力を維持しながら試合を支配し続けています。
チームや時代に合わせたプレースタイルの変化
レブロンは、NBA入りした当初は高い身体能力から繰り出される鋭くも力強いドライブとミドルレンジジャンパーを得意とする「ミッドレンジゲーム」が得意な選手とされていました。
しかし、クリーブランド時代にPGとしてのプレーが必要となれば、パス技術や視野の広さを用いたゲームコントロールを行い、マイアミではオフェンスでの負担が下がったことからデフェンスでの貢献度を高くし、ポストムーブが必要であれば、オラジュワンに志願して学び、ウォリアーズが王朝を築いたあたりからは3P%を向上させて、3P時代に対応するなど、「ほぼ全てのプレースタイル」に合わせて進化させられる能力があります。
勝利のために必要なプレーを模索しながら向上していくスタイルは、なかなか他の選手には真似ができない点です。
なんでもできるオールラウンド性
レブロンの凄さはなんといっても、「最強のオールラウンダー」である点です。
レブロンの適正ポジションはSFであるとされていますが、チーム事情によってPGやPFでプレーすることも多く、マイアミ時代には全盛期のトニー・パーカーのスピードに対応し、全盛期のティム・ダンカンのポストオフェンスを封じ込み、全盛期のマヌ・ジノビリの変則ステップについていくなど、本当に全てのポジションを守っていました。
主要スタッツの得点やアシストの高さからアウトサイドプレイヤーとしても非凡なものを持っていることがわかりますが、3P%を35歳を超えてから向上させるなど、すべてのポジションで平均的なNBA選手以上の働きをすることができます。
NBA史上で唯一「5つの全てのポジションで登録された選手」であり、レブロンが史上最高のオールラウンダーである証明といえるでしょう。
レブロン・ジェームズの弱点
ここまでは、レブロンのすごい点について見てきましたが、弱点と呼べるような点もいくつか見られます。レブロンの弱点として挙げられる部分について1つ紹介します。
フリースロー
レブロンは、20年以上NBAで20得点以上5アシスト、5リバウンド以上を記録している怪物ですが、キャリアで一貫してフリースローを苦手としています。シーズン平均でFT%が80%以上を記録したことはなく、70%に届かないとしも結構あります。
一般的には70%台後半から80%程度がフリースローの平均値といえるため、70%台前半であるレブロンのフリースローは弱点といえるでしょう。
逆にいえば、選手としての明確な弱点でフリースローの確率の悪さくらいしか挙げられないのがレブロン・ジェームズのすごい点ともいえます。
レブロン・ジェームズが達成してきた記録一覧
これまで紹介してきたレブロンの凄さに加え、達成してきた記録も凄まじいものがありますので、記録という点で紹介していきます。
NBAチャンピピオン:4度 (2012,13,16,20)
NBAファイナルMVP:4度(2012,13,16,20)
NBAシーズンMVP:4度(2009,10,12,13)
NBAインシーズントーナメントチャンピオン:2023
NBAインシーズントーナメントMVP:2023
NBAオールスター:20度(2005-24)
NBAオールスターゲームMVP:3度(2006,08,18)
オールNBA1stチーム:13度(2006,08-18,20)
オールNBA2ndチーム:3度(2005,07,21)
オールNBA3rdチーム:3度(2019,22,23)
オールディフェンシブ1stチーム:5度(2009-13)
オールディフェンシブ2ndチーム:2014
新人王:2004
オールルーキー1stチーム:2004
得点王:2008
アシスト王:2020
NBA75周年記念チーム:2022
最年少記録
ドラフト1位:18歳178日
オールルーキー1stチーム:19歳
オールスターMVP:21歳51日
通算得点1000得点-40,000得点:全て最年少
プレイオフでのトリプルダブル
最年長記録
プレイオフでの40得点:38歳
プレイオフでの20得点-20リバウンド:38歳
シーズン平均30得点:37歳
50得点-10リバウンド:37歳
30得点トリプルダブル:39歳
史上唯一の記録
歴代通算得点:1位(40,000点越え) ※40,000点越えは史上1人のみ
20年連続オールスターゲーム出場
キャリア通算40,000得点,10,000リバウンド,10,000アシスト
20シーズン連続平均20得点5リバウンド5アシスト以上
1,156試合連続2桁得点(継続中)
まとめ
ここまでみてきたように、レブロンジェームズは歴代最高の選手の1人であることは疑いようのない事実です。現在、彼の現役としてのプレーを見れていることをありがたく思い、見たこともなかった化石のような記録を越えていく姿を見届けましょう。
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