いよいよ日本(沖縄)を含めた複数の国を跨いで始まる2023年のFIBAバスケットボールワールドカップ。
東京オリンピック、サッカーW杯や野球のWBCとメジャースポーツの大きなイベントが連続していることに加え、日本代表にも期待ができること、日本も開催国の1つであることを踏まえて大きな盛り上がりが期待されます。
FIBAワールドカップでは、全てのチームがまずは一次リーグ(1stラウンド)を戦います。
そこで今回は、FIBAバスケットボールワールドカップ一次ラウンドを展望していきたいと思います。今回は一次ラウンドのグループHをみていきます。
グループH参加国


グループHに参加する国は以下のとおりです。
国名 | 略称 | ゾーン | FIBAランキング ※()内はゾーンランク | ワールドカップ出場回数 |
カナダ | CAN | アメリカ | 15位(4位) | 15回目 |
レバノン | LBN | アジア | 42位(9位) | 4回目 |
ラトビア | LAT | ヨーロッパ | 29位(16位) | 初 |
フランス | FRA | ヨーロッパ | 5位(2位) | 9回目 |
グループHは、インドネシアにあるインドネシアアリーナを会場として開催されます。
グループHの展望


グループHの展望として、大本命はフランスです。ゴール下を支配するゴベア、外角から得点を重ねるフォーニエとバトゥーム、若いながらゲームをコントロールできるニリキナなど、タレントが揃っています。東京オリンピック銀メダル、前回のワールドカップ銅メダルの実力を発揮すれば、1位で突破するでしょう。
グループHは相性やメンバーの揃い方次第では、カナダ代表にも1位通過のチャンスがあります。フルメンバーを揃えれば、フランス以上にNBA選手を揃えられる可能性があり、アンドリュー・ウィギンスやR・J・バレットなど、脂の乗っている選手が招集されると思われます。
コーチもトロントラプターズでNBAを制覇した経験のあるニック・ナースでワールドカップに臨むと思われ、東京オリンピック予選で本大会に出場できなかった雪辱を果たしにくるでしょう。
また、歴史上初のワールドカップ出場を決めたラトビア代表も注目です。正直、2位までに食い込むことは厳しいと見られますが、ベルターンスとポルジンギスのシュートの当たり次第では、上位進出もあり得るレベルです。
レバノン代表は、とりあえずの1勝を目指す形といえますが、2022年のアジア選手権で準優勝の実力を発揮して頑張りたいといえます。
グループHの注目選手
ブザビは、「初心者向け」のバスケットボールメディアとして、初心者の人でもこのチームはこの選手を注目しよう!という注目選手を各チーム1人ご紹介します。
※このページ作成時点では、各チームの選手選考が終了しているわけではありませんので、選出漏れや怪我の影響で紹介した選手が参加しない可能性があります。
カナダ – ジャマール・マレー
カナダの注目選手は、NBAデンバー・ナゲッツに所属するジャマール・マレーです。
190cmのスコアリングが得意なガードのプレイヤーで、登録はPGですがSGのようなアグレッシブなアタックやドライブを得意とするプレイヤーです。
身体能力とシュート精度が高く、3Pシューターとドリブルでペイントエリアに侵入する技術に長けています。
2021年に左膝前十字靭帯を断裂する大怪我から1年半ぶりに復帰しましたが、プレーのレベルは落ちてはおらず、復帰後も30点から40得点の試合を連発しています。
ワールドカップでもこのスコアリング能力は発揮されるはずで、チームメイトとの連携がうまくいけば爆発的な得点を期待できます。
レバノン – ワエル・アラクジ
レバノンの注目選手は、レバノンのアルリヤディ・クラブベイルートに所属しているワエル・アラクジです。
193cmのPGでスコアリング能力の高いガードプレイヤーで、特にハンドリング能力が良いため、1対1で彼を止めるのはなかなか難しいです。
2022年のアジアカップではレバノンを準優勝に導き、大会得点王、アジアカップMVPに輝いた勢いそのままに、ワールドカップ本大会でも暴れることが期待できます。
ラトビア – クリスタプス・ポルジンギス
ラトビア代表の注目選手は、NBAワシントン・ウィザーズに所属しているクリスタプス・ポルジンギスです。
221cmかつウィングスパン230cmの超大型プレイヤーでありながら、SFくらいのスピードとシュートレンジ、テクニックを持つ「ユニコーン」の愛称で呼ばれる怪物です。
ポストプレイはあまりせず、3Pラインの外でボールを受けることも多いプレイヤーですが、ドライブも鋭くおこなえるため、彼の3Pが入り始めた場合に、彼の攻撃を止められる選手はほとんどいないでしょう。
2017年のユーロバスケットでは、彼を中心にしたロスターで強豪国ばかりのヨーロッパで5位に輝いていることから、彼の活躍次第ではフランスやカナダにも勝てる可能性を秘めています。
フランス – ルディ・ゴベア
フランス代表の注目選手は、NBAミネソタ・ティンバーウルブズ所属のルディ・ゴベアです。
216cm身長にウィングスパン235cmと圧倒的な「デカさと長さ」を兼ね備えるセンタープレイヤーです。NBAにおいて最優秀守備選手賞を3度も受賞したことからわかる、ブロックとリバウンドの能力が桁外れに高いことで有名です。
ディフェンス3秒バイオレーションのないFIBAルールにおいて、相手チームの選手はゴベアの支配するペイントエリアへのアタックは至難の業となるでしょう。
今年のNBAドラフト1位のビクター・ウェンバンヤマが代表を辞退したことで、ゴベアとのツインタワーが観られないことは残念ですが、東京オリンピックで銀メダルに輝いたチームからあまりメンバーが変わらない状態で大会に挑んでくるため、今大会でも上位進出が確実視されています。
グループH – まとめ
ここまで見てきたように、グループHは実力を発揮すれば、フランスが1位通過するでしょう。
しかし、カナダとラトビアもフルメンバーが揃って噛み合えば相当実力の高いチームであるため、この3チームの中で順位争いが繰り広げられることが予想されます。
アジア勢で直近のアジアカップ準優勝のレバノンにも期待したいところですが、レバノンは1勝を目指すのが現実的な目標といえます。
コメント