NBAの解説を観ていると、「50-40-90(フィフティ・フォーティ・ナインティ)クラブ」という言葉がたまに出てきており、なんかの記録であるということはわかるものの、あまりその概念について解説されることはありません。
そこで今回は、超優秀な選手の証である「50-40-90」の概念の説明と、なぜそれが優秀な選手である証なのかをご紹介します。
50-40-90クラブってなに?
NBAでよく言われている、「50-40-90」とは、シーズンを通して1人の選手が、FG%が50%を超え、3P%が40%を超え、FT%が90%を超えていることを指しており、「50-40-90クラブ」とは、それを達成した選手たちの総称になっています。
3Pが1979-80シーズンに入ってから登場したこともあり、非常に少ない人数しかいないことでも知られています。
たった9人しかいない
50-40-90を達成した選手はNBAの歴史上でも、たったの「9人」しかいません。複数回達成している選手もいますが、回数を数えてもNBAの歴史上「13回」しかありません。
※2020-21シーズンの結果を反映しました。
選手名 | シーズン | FG% | 3P% | FT% |
---|---|---|---|---|
ラリー・バード | 1986–87 | .525 | .400 | .910 |
ラリー・バード | 1987–88 | .527 | .414 | .916 |
マーク・プライス | 1988–89 | .526 | .441 | .901 |
レジー・ミラー | 1993–94 | .503 | .421 | .908 |
スティーブ・ナッシュ | 2005–06 | .512 | .439 | .921 |
ダーク・ノヴィツキー | 2006–07 | .502 | .416 | .904 |
スティーブ・ナッシュ | 2007–08 | .504 | .470 | .906 |
スティーブ・ナッシュ | 2008–09 | .503 | .439 | .933 |
スティーブ・ナッシュ | 2009–10 | .507 | .426 | .938 |
ケビン・デュラント | 2012–13 | .510 | .416 | .905 |
ステフィン・カリー | 2015–16 | .504 | .454 | .908 |
マルコム・ブログドン | 2018–19 | .505 | .426 | .928 |
カイリー・アービング | 2020–21 | .506 | .402 | .922 |
これを見ると、4回も達成しているスティーブ・ナッシュが非常に優れた選手であったことがわかると思います。
なぜ、50-40-90はすごいのか
では、なぜ50-40-90はすごいのかというのを見ていきたいと思います。
FG%50%以上
正直、50-40-90の中で一番達成しやすいのがFG%の50%超えでしょう。
主にインサイドの選手は、FG%が50%を超えていることも少なくありませんので、FG%50%だけで見れば毎シーズン複数の選手が達成していることになります。
3P%40%以上
3Pが重要な戦術であり、多用されるようになった2020-21シーズンの今では、3Pシューターと呼ばれる選手は大抵の場合、3P%が40%を超えていることも結構普通になっているので、ここも優秀なシューターであれば問題なく超えてくる数字です。
FT%90%以上
3つの項目で一番達成しづらいのが、FT%が90%以上という項目で、2019-20シーズンまでの歴史を見ても、1シーズンで6人の選手が達成したのが最多です。
2020-21シーズンは7人以上の選手が90%を超えていますが、シーズン終了時点でどうなるかは未だ不明です。
すごい理由は「全てを達成する」こと
「50-40-90」がなぜすごいのかと言えば、上記で紹介した項目全てを同時にクリアするということです。また、それをシーズン通して行うことが出来るということは、それだけハイパフォーマンスを続けていた証明にもなります。
簡単に言えば、ゴール近くでプレイする選手並に、2回に1回以上のシュートを沈め、NBAリーグ全体の優秀なシューターの仲間入りをしており、NBA全体でも5本の指に入るほどの確率でフリースローを決めたということになります。これだけで超優秀な選手であるということはお分かりいただけると思います。
非公式の50-50-100も登場
実は、50-40-90という記録を超えた選手が、2020-21シーズンに登場しました。
2020-21シーズンのトニー・スネル選手は、FG%:51.5%,3P%:56.9%,FT%:100%を達成しました。
言うなれば、50-50-100でしょう。
シーズンを通して高確率のシューターであり続けましたが、
ベンチメンバーであり、シュート本数が少ないために「50-40-90」でも「50-50-100」としても認定されていません。
まとめ
- 50-40-90は超優秀
- 50-40-90を達成したらお祭りレベル
- FTの達成が一番難しい
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