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Bリーグ誕生の歴史とあまり知られていない背景

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2021年現在、日本のバスケのトップリーグと言えば、Bリーグとなっています。

日本国内でのバスケが盛り上がり始めたのは、Bリーグが発足してNBAプレイヤーが2人も同時にアメリカで活躍し始めたからというのが大きく、このタイミングからバスケファンになった方も非常に多いのではないでしょうか。

しかし、そういった方々にあまり知られていないのがBリーグ発足の背景と歴史についてです。現在輝かしいBリーグも実は少しどろどろとした背景から誕生しています。そこで今回は、あまり広くは知られていないBリーグ誕生の背景と歴史についてご紹介したいと思います。

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Bリーグ誕生の概要

まず、一般的に知られているBリーグ誕生の背景について記載しておきたいと思います。

Bリーグは、2016年にそれまで存在していた、「TKbjリーグ(以下bjリーグ)」と「NBL・NBDL」を統合する形で国内の男子トップリーグとして誕生しました。地域密着を掲げ、1部2部などの入れ替え制も導入し、フォーマットとしてはJリーグに近い形でのスタートを切りました。

これによって、国内のバスケットボールが一層盛り上がるということを期待され、その期待通りのリーグ運営になっていることは、異論はないでしょう。

トップリーグ統一に対する背景

しかし、このトップリーグ統一に関する背景には、少し複雑でどろどろとした部分がありました。

実業団リーグからスーパーリーグの誕生

まず、のちにNBLと名前を変えBリーグの前身リーグの1つになる、リーグが「スーパーリーグ」という名前で2000年代前半に誕生します。このリーグの母体は実業団リーグであり、その強豪がスーパーリーグとして集められ、一部がプロという形でトップリーグとなっていました。

この「一部がプロ」というのがポイントであり、田臥選手の加入などもあり、テレビで試合が放映されているにも関わらず、会社員として在籍している選手もいたため、明確な「プロリーグ」ではなく、実業団の強豪のリーグとしての位置付けが非常に強かったリーグです。

一応ホームタウン制をとっていましたが、母体が会社のバスケットボール部であったため、地域性というよりは企業の広告の意味合いが強く、会社の名前を背負うことの方に主軸が置かれていたのが事実であり、チーム名に地域の名前をつけることはほとんどありませんでした。

また、母体が元々トップリーグの位置付けであった実業団リーグであったこともあり、日本バスケットボール協会(JBA)との結びつきが非常に強かったリーグでもあります。

bjリーグの誕生

bjリーグ

「一部プロ」という状態から、完全なプロリーグを目指し、エンターテインメント性も強く求めて2000年代半ばに誕生したのが「bjリーグ」です。

運営が株式会社日本プロバスケットボールリーグという、スーパーリーグとは別の団体になり、地域性を重んじたプロリーグの誕生となりました。

チーム名にホームタウンを冠した名前をつけたことからも、地域に根ざしたプロチームであることが伺えるのですが、このbjリーグ誕生のタイミングで、埼玉ブロンコスと新潟アルビレックスがスーパーリーグ(日本リーグ)並びに日本バスケットボール協会を脱退したこともあり、bjリーグとスーパーリーグの対立構造のようなものが出来上がってしまいました。

スーパーリーグからNBLへ

NBL

bjリーグ発足直後、スーパーリーグ側もプロ化へのプロジェクトを発表し、これがNBLと呼ばれるリーグの誕生となりました。(スーパーリーグのプロ化発表はbjリーグ発足直後、実際のNBL発足は2013年)

このリーグでは、テレビの放映権の収入などがチームに入らない仕組みとなっていたため、結局実質の母体となるスポンサー企業を持っていないチームは不利となる形式になっており、ここに参加したのは自動車や電機メーカーなどの大企業のバスケ部が母体となったチームがメインとなりました。

しかし、豊富な資金力と歴史のあるリーグであったため、日本代表に選ばれるような選手はほとんどがこのリーグの選手であり、実力はNBL、天皇杯などの公式な大会への柔軟な参加もNBLの方がしやすいという事態になっていました。そのため、大学出身の有望な若手選手はbjではなくNBLを選択するというのが基本構造になっていました。

しかし、チーム数が非常に少なく、地域への貢献度合いなどもbjリーグよりも相当少なかったことから、バスケットボールの普及という面においては疑問の多いリーグ運営になっており、運営する協会も違ったことから、プロ化したトップリーグが2つ存在するという異様な状況になっていました。

FIBAからの忠告と国際資格の停止

STOP

bjリーグ発足以降、スーパーリーグ側は名前や運営方法を変えながらもリーグはトップリーグとして存在していたため、数年間日本には男子バスケのトップリーグが2つ存在する形となっていました。

しかし、トップリーグが2つ存在しているにも関わらず、特に男子の日本代表は世界的にもレベルの高くない状態が続いており、世界のバスケットボールを管理しているFIBAは、この状況に疑問を唱え、「トップリーグの統一」「協会の体制および組織の改革」「ユース世代を含めた代表強化体制」の3つが必要と忠告をしました。

しかし、トップリーグの2つの協会は後述する課題によってなかなかリーグ統一を進めることができずに、2013年末にFIBAより最後通告とされる忠告がなされ、回答期限とされる時期までに日本側から回答を提出することができず、2014年11月にバスケに関する男女・アンダーカテゴリ(U-15やU-18)全ての日本代表チームに対して、国際試合の出場資格の停止が発表され、トップカテゴリの男子だけではなく女子やアンダーカテゴリまでが国際試合に出場できなくなりました。

2020年に東京オリンピックが開催されるにも関わらず、この処分を受けたため、この状況になって初めて日本のバスケットボール界は本気で改革に取り組む形となり、Jリーグ発足に成功した川淵三郎氏をトップにしたタスクフォースチームを形成し、剛腕の元にBリーグにリーグ統一が発表され、2015年にようやく日本代表チームの国際試合への出場資格が回復するという形となりました。

協会と運営の揉め事

FIBAから忠告を受けたにも関わらず、協会やリーグの統一が進まなかったのには、あまり報道されなかったとてもドロドロとしたいくつかの課題がありました。それを少しご紹介します。

企業チームのプロ化への難色

スーパーリーグがNBLに移行されるタイミングで、bjリーグを吸収してNBLに統一するという案があり、現実味をおびた状態となりましたが、企業チーム(企業のバスケ部として運営しているようなクラブ)がプロ化に難色を示しました。

大きな理由は、各地を回る遠征やチーム運営費用が大幅に上がってしまうことによるコスト増と、チーム名に「企業名」を入れられなくなることだったとされており、強豪チームや金銭的に豊かだったチームが企業チームに多く、発言力が強かったことから、NBLの協会側はこれを受け入れざるを得なくなりました。

しかし、この姿勢に地域密着をモットーにしたリーグ運営を推し進めていたbjリーグ側が逆に反発。

NBLとしてのリーグ統一はならず、NBL側のチームの規律では、bjリーグの選手との接触を禁じるなど、NBL側bjリーグ側両方とも、互いに牽制し合う状態が続いており、この対立が、NBLとbjリーグの統一の際の一番大きな壁であったとも言われています。

世界選手権の大赤字

最近バスケファンになった方々にはあまり知られていませんが、2002年のサッカーW杯が開かれた4年後の2006年に、日本でバスケの世界選手権(後のW杯)が開催されました。この大会はスペインが優勝し、ギリシャやアルゼンチンなど、アメリカ以外のチームの活躍が目立ち、日本代表も開催国枠で出場して1勝を挙げるなど当時のバスケファンにとっては一定の盛り上がりを見せました。

しかし、当時の日本ではこの大会がそこまで盛り上がらず、どの会場も空席が目立ち、テレビ放映も夜に録画放送されることが多く、収益性に難がある大会となりました。大会開催直前にも運営側は財政難を指摘されていましたが、世界選手権を開催したことにより、13億円近くの赤字を出したとされており、この責任の所在が誰にあるのかで非常に長い時間揉めていました。

短いスパンで協会の会長が何度も変わるなど、混迷を極めており、最終的には名前だけを置く形で政治家の麻生太郎氏が日本バスケットボール協会の会長になったりもしましたが、責任の押し付け合いは協会内で収束せず、bjリーグ側もこの赤字の揉め事に触れたくないということもあり、この部分もトップリーグ統一に関する大きな障壁となりました。

上記2つの大きな理由により、日本のバスケットボールのトップリーグは統一されないままでいましたが、代表チームの国際試合出場資格停止に伴い、一気に統一の道を歩んでいきました。

最後に

以上、Bリーグ発足に関わるあまり知られていない背景や歴史でした。

もちろん、途中にはさらに複雑な統一案などがさまざまありましたが大まかな流れはこのようなものでした。

こういった背景を見ると、現在のBリーグでNBL出身のチームとbjリーグ出身のチームがトップを争っているような姿や、各選手たちのチーム間の移籍が自由になったのは非常に喜ばしい限りです。

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