バスケットボールは、空中の格闘技とも言われる激しいスポーツであり、ぶつかり合いの激しい上半身だけではなく、ジャンプやダッシュ、ストップを繰り返すため、下半身にも非常に負荷のかかるスポーツです。
その中でも特に膝は、痛みを訴える選手が多く、外傷による怪我でけではなく、炎症などの慢性的な痛みまでよく起こります。
そこで今回は、バスケでよく起こる膝の痛みや怪我についてご紹介していきます。
バスケでよくある膝の痛みや怪我
バスケットボールをやってみるとわかりますが、チームに複数人程度膝に痛みを抱えている選手がいます。それだけバスケというスポーツは、膝への負担が半端ではないのです。とは言っても、バスケの選手は競技の特性として似た動きをしますので、バスケでよくある膝の怪我や症状などをご紹介しておきます。
ジャンパー膝
ジャンパー膝とは、その名の通り、バスケやバレーなどのジャンプを繰り返すようなスポーツの選手によく見られる症状です。また、ジャンパー膝が見られるのは、足を激しく振るサッカーのようなスポーツでも見られます。
原因
ジャンパー膝は、外傷ではなく慢性的な使いすぎ(オーバーワーク)が主な原因と考えられております。
症状
ジャンパー膝の症状としては、膝のお皿(大腿四頭筋腱付着部,膝蓋)の上下の部分に痛みを生じており、腱の炎症が発生しています。
オスグッド
オスグッドは成長期に発症する腱の炎症で、バスケやサッカーなどの膝の曲げ伸ばしを激しく行うスポーツで発症しやすいとされています。
原因
成長期にしか基本的に見られない症状であり、成長期の不安定な骨格の体で、膝の曲げ伸ばしや大腿四頭筋の柔軟性の低下によって、脛骨が大腿四頭筋から通じる腱に引っ張られる状態となり、その際に強く引っ張られることで軟骨の一部に剥離が発生することが原因とされています。
症状
大腿四頭筋と脛骨をつなぐ腱の脛骨側の付け根に炎症が起こっています。
靭帯損傷
膝にはさまざまな靭帯が存在しており、これらを損傷することで非常に強い痛みを感じます。バスケの世界では前十字靭帯(ACL)や内側靭帯を損傷するケースが多く、特に前十字靭帯は有名です。一昔前までは、前十字靭帯を損傷してしまえばそのまま引退に追い込まれるような怪我でしたが、現在では医療が発達し、プロのレベルでの復帰も可能になりました。
原因
激しく衝突したり、不自然な形で着地するなど、靭帯に負荷がかかることで損傷します。
症状
非常に強い痛みがあり、損傷した靭帯の箇所によっても症状がでた(怪我をした)後に動かせる方向が変わります。
半月板損傷
大腿骨(太ももの骨)と脛骨の間にあるのが、膝ですが、その間でクッションの役割を果たしているのが半月板です。この半月板はさまざまな理由によって傷つくことが知られており、膝が動かなくなるような痛みを発症することもあります。
原因
外傷や慢性的なオーバーワーク、加齢など理由が一つではないのが半月板損傷の厄介なところで、原因が明確ではない状態で痛みが発現することがあります。
症状
クッションの役割を果たしていた部分が損傷することによって、膝が一瞬ロッキング(動かなくなる)したり、痛みが出たり、膝の曲げ伸ばしによって膝の中でゴリゴリ音を立てたりします。
対処法
では、対処法としてはどのようなことが考えられるのか見てみましょう。
病院に行く
当たり前ですが、痛みが出たら無理をせずにまずは病院(整形外科やスポーツ系の科目)に行くようにしましょう。膝はスポーツをする際には一生付き合う関節となりますので、できるだけ痛みや症状が出ないようにしていくことや、早期の治療が重要になります。
練習や試合後のアイシング
慢性的に痛みがあるような場合には、氷などで冷やしてアイシングを行い、痛みや腫れを取り除く努力をしましょう。オーバーワークが原因の場合、これをやるかやらないかでも大きく症状や疲れの解消に差が出てきます。
テーピングやサポーター
オスグッドやジャンパー膝などの慢性的な痛みや、大きな怪我を負って治療を終えて復帰するときなどは、テーピングやサポーターによって膝を保護しましょう。外傷から守るだけではなく、膝の可動域を正常に保ったりすることによって、痛みを改善できます。
怪我の予防をするために
対処法ではなく、怪我を予防するためにはどうしたら良いのかをみていきましょう。
オーバーワークしない
バスケが好きでたまらなくて、上手くなりたくてきつい練習を続けるということも十分に理解できますが、体のことを考えると、しっかりと休むのも練習になります。オーバーワークだけで、ジャンパー膝や成長期であればオスグッドは発症しますし、オーバーワークによって疲れていれば変な形での接触の危険性が増え、もっと大きな怪我に繋がりやすくなります。
ストレッチを入念にする
膝の怪我は、骨ではなくその周りの腱や靭帯、軟骨に関する怪我がほとんどです。そのため、ストレッチによって周囲の筋肉をほぐすだけでも十分に怪我防止に繋がります。
クッション性能のサポーター
最近はクッション性能のついたサポーターやタイツなどが発売されていますので、身につけてみると良いでしょう。外傷からある程度身を守れるだけでも心理的な安全性が高まり、パフォーマンスが上がることも期待できます。
最後に
ここまでの話をまとめると、
- ジャンパー膝、オスグッド、靭帯損傷、半月板損傷がバスケでは多い
- ストレッチや休息によって怪我を防ぐこともできる
- 痛みが出たらできるだけ病院にいくことをおすすめする
となります。
膝は、一度怪我をすると一生付き合うことになる体の部位です。
特に腱や靭帯の怪我をするとなかなか元の状態には戻れません。
怪我をしないのも重要ですが、怪我をした後の対処などもこの記事を参考にしてみてください。
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