Bリーグなどのプロバスケの試合の解説付きの放送をみていると、よく「アイソレーション」という言葉が出てきます。これは、オフェンスの戦術の1つなのですが、初心者には少しわかりにくいかもしれません。
そこで今回は、バスケのアイソレーションについて、初心者にもわかりやすく解説します。
アイソレーションってそもそもなに?
では、アイソレーションはどんなものなのかというところからみていきましょう。
そもそもアイソレーション(Isolation)とは、分離や隔離などの意味をもち、他から切り離された状態を指します。
バスケにおけるアイソレーションとは、オフェンスの時に使われる戦術の名前になっており、とある選手に1on1で攻撃をさせるために、ボールを持たせ、他の味方の選手が遠く離れることで、自分についているディフェンスも1 on 1をする選手から離すことができるため、1on1に集中させることができる戦術です。簡単にいえば、ボールを持っている味方から遠いところに離れる形をとる戦術です。
ボールマン(ボールを持っている選手)がいる位置によっても形は変わりますが、どちらかのサイドの45°付近にボールマンがいることが多く、その場合には逆サイドに味方選手が寄ります。
ボールマンがトップ(ミドルライン)にいる場合には、各選手がサイドラインギリギリまで広がっている形になることが多く、ボールマンがコーナーにいるパターンは、スペースが広くないためそこまで多くありません。
アイソレーションが行われる場面は?
では、アイソレーションはどんな場面で使われる戦術なのでしょうか?
確実に得点が取りたい時
大抵の場合、アイソレーションでボールを託される選手はそのチームのエースです。
そのため試合終盤の「確実にここで1本得点したい」という場面で、エースに託すという形でアイソレーションが行われることがよくあります。
アイソレーションが一番効率がいい時
エースが圧倒的な実力を持っており、変にチームでパスを回したりフォーメーションを作ったり、ピックアンドロールなどの対応をしたりするよりも、エースの1on1に任せた方が得点の確率が高い場合には、そのチームの戦術のメインがアイソレーションになることがあります。
プロの試合ではこういったことはあまり起こりませんが、高校までのバスケであれば、エースだけがそのチームで飛び抜けた実力を持っているということがあり得てしまい、その選手が1on1であればある程度得点できる場合には、ほとんど常にアイソレーションという場合があります。
ミスマッチをついて攻撃したい時
エース以外の選手がボールマンだとしても、試合中のさまざまなスイッチによってガード選手に対してセンターがマッチアップになっていたり、その逆であったりすると、スピードや高さのミスマッチが起こっており、そこを突くためにアイソレーションが咄嗟に行われることがあります。
ゲームタイマーが残り少ない時
アイソレーションは1on1をさせることを目的としており、これの副産物として他のディフェンスも寄ってこないためにボールを持っている選手が時間をコントロールしやすいという点があります。
これを利用して、各クォーターの終盤には、ある程度時間を使って得点を狙うことが重要になる場面があり、アイソレーションでシュートして即タイムアップという形を狙ってアイソレーションが行われます。
アイソレーションが上手く行かない場面
アイソレーションは確実に上手くいきそうな戦術ではありますが、上手く行かないパターンがあります。少しご紹介します。
ゾーンディフェンスが敷かれた時
アイソレーションは1on1をオフェンス側が仕掛ける戦術のため、エリアを守る形をとるゾーンディフェンスが実行されると、1on5という形となり、上手く得点をすることができないパターンがあります。
咄嗟にダブルチームされた時
ゾーンディフェンスと理由は同じですが、ディフェンス側がアイソレーションに気がついて、咄嗟にダブルチームに来ることがあります。
その際に、フリーになっている味方選手にパスを出すことができれば攻撃が成立するのですが、そのパスが出せない場合には、1on2となってしまい、なかなか上手くいきません。
ディフェンスのレベルが高かった時
当たり前ですが、1on1をするわけですから、ディフェンスの選手のレベルがオフェンス側より高かった場合には、上手くいきません。シンプルに1on1で負ける形となり、そのままカウンターを食うという状況になってしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
アイソレーションでボールを任される選手は、
チームの中で信頼されているという証にもなります。
こういった、アイソレーションなどで重要な場面での1本を任される選手を、
「Go to guy」と呼んだりします。
こういった、バスケ用語も覚えていけると、さらにバスケ観戦がおもしろくなると思います。
※ちなみにアイソレーションは「アイソ」と略されたりします。
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