バスケットボールの試合は、選手や監督、そして観戦者だけで成り立つわけではありません。オフィシャルを担当するスタッフや審判もいて、成立します。
今回は、あまり注目されない審判について解説します。
実は、審判の資格にはランク(階級)があり、ランクごとに取得条件や取得することでできることが変わってきます。今回は、審判のライセンスやランクごとの取得条件、ランクごとにできることの違いについて解説します。
日本バスケットボール協会の審判のランクとは?


日本バスケットボール協会では、審判員資格(ライセンス)は6つの階級で発行されています。
- S級
- A級
- B級
- C級
- D級
- E級
これらの各ランクの取得条件や、取得することで可能になることについて1つずつみていきます。
バスケットボール審判員:E級ライセンス
日本バスケットボール協会(JBA)の審判のE級ライセンスは、初心者向けの審判資格であり、以下の条件を満たすことで取得することができます。
- E級ライセンス取得条件
- JBA主催のE級新規eラーニングを受講し、合格
受験資格:12歳以上で審判資格を保有していない
E級ライセンスの取得によって可能になることは、以下の通りです。
- 各地区、連盟が主催する試合を担当することができる。
E級ライセンスは、初心者の方々が審判としての基本的な技術や知識を身に付けるためのライセンスとなっています。E級ライセンスを取得した後は、さらに上のランクのライセンスを取得することで、より高度な技術や知識を身に付けることができます。
バスケットボール審判員:D級ライセンス
日本バスケットボール協会(JBA)の審判のD級ライセンスは、E級ライセンスの上級ライセンスです。以下の条件を満たすことで取得することができます。
- D級ライセンス取得条件
- JBA主催のCD級eラーニングを受講し、合格
都道府県D級実技講習受講(合否不問)
受験資格:12歳以上でE級ライセンス保有者もしくは審判資格なし
位置付けとしては、E級ライセンスよりも上級に該当するライセンスですが、必ずしもE級ライセンスを取得していなくても、D級ライセンスを受けることはできます。ただし、日本バスケットボール協会としては、審判経験がない人材にはE級ライセンスからの取得を推奨しています。
D級ライセンスの取得によって可能になることは、以下の通りです。
- 各地区、連盟が主催する試合を担当することができる。
- 都道府県協会が認めた審判は、都道府県協会が主催する試合を担当することができる。
E級ライセンスは審判初心者向けだったのに対し、D級ライセンスからは実技講習もあるためより実践的なレベルを求められます。実際に審判として活躍していこうとする方の入り口になるライセンスといえるでしょう。
バスケットボール審判員:C級ライセンス
日本バスケットボール協会(JBA)の審判のC級ライセンスは、D級ライセンスの上級ライセンスです。以下の条件を満たすことで取得することができます。
- C級ライセンス取得条件
- JBA主催のCD級eラーニングを受講し、合格
都道府県C級実技講習受講し、合格
受験資格:12歳以上でE級・D級ライセンス保有者(資格なしでも受験は可能)
位置付けとして、D級の上のランクのライセンスとなります。ただし、D級以下のライセンスがなくても受験することができます。しかし、日本バスケットボール協会(JBA)は、十分な審判経験がある方が受験することを推奨しているため、全く未経験でC級ライセンスに挑戦しても、合格することは難しいでしょう。
C級ライセンスの取得によって可能になることは、以下の通りです。
- 各都道府県協会が主催する試合を担当することができる。
C級ライセンスは、都道府県協会が主催する「都道府県大会」を担当することができるため、各都道府県において優秀な審判であるといえるライセンスです。
バスケットボール審判員:B級ライセンス
日本バスケットボール協会(JBA)の審判のB級ライセンスは、C級ライセンスの上級ライセンスです。以下の条件を満たすことで取得することができます。
- B級ライセンス取得条件
- JBA主催のeラーニングを受講し、合格
都道府県B級実技講習受講し、合格
フィットネステストに合格
受験資格:12歳以上でC級ライセンス保有者
B級ライセンスから上のランクのライセンスは、基本的に1つ下のランクの審判ライセンスを取得していないと受験することができません。また、B級ライセンスからはフィットネステストと呼ばれる身体能力のテストも追加されるため、より実践的なテストを潜り抜ける必要があります。
B級ライセンスの取得によって可能になることは、以下の通りです。
- 各ブロック協会が主催する試合を担当することができる。
- JBAが認めた審判にはトップリーグを担当することができる。
B級ライセンスからはレベルの高い試合を担当することができます。各ブロック大会がメインの担当となりますが、JBAが認めればトップリーグの試合を担当することが可能になるため、トップレベルの審判への入り口といえます。
バスケットボール審判員:A級ライセンス
日本バスケットボール協会(JBA)の審判のA級ライセンスは、B級ライセンスの上級ライセンスです。以下の条件を満たすことで取得することができます。
- A級ライセンス取得条件
- JBA主催のeラーニングを受講し、合格
A級実技講習受講し、合格
フィットネステストに合格
受験資格:50歳未満でB級ライセンス保有者
A級ライセンスと最上位であるS級は、「50歳未満」という年齢制限があります。そのため、できるだけ若い年齢でB級ライセンスを取得しないと受験すらできなくなるという点については注意が必要です。
A級ライセンスの取得によって可能になることは、以下の通りです。
- 各ブロック協会が主催する試合を担当することができる。
- JBA主催の全国大会等を担当することができる。
- JBAが認定した場合、トップリーグの試合を担当することができる。
A級ライセンスから、日本のトップクラスの審判の証となります。A級まで辿り着くには、C級、B級、A級と最低でも3回の審査に合格しなければなりません。そのため非常にレベルの高い審判であるといえます。
バスケットボール審判員:S級ライセンス
日本バスケットボール協会(JBA)の審判のS級ライセンスは、日本バスケットボール協会が発行する審判のライセンスの中で最上位に位置するランクです。以下の条件をクリアすることで取得することができます。
- S級ライセンス取得条件
- JBA主催のeラーニングを受講し、合格
S級実技講習受講し、合格
受験資格:50歳未満でA級ライセンス保有者
S級は基本的にC級、B級、A級とランクを上げてきた審判のみが受験することを許される最上位のランクであるため、取得は非常に難しいといえます。
S級ライセンスの取得によって可能になることは、以下の通りです。
- トップリーグの試合を担当することができる。
JBAの中で最もレベルの高い審判の証明であるライセンスのため、国内の最高レベルの試合を担当することができるようになります。
また、実質的にS級ランクの審判から「FIBAレフェリー」と呼ばれるFIBA主催の国際大会を担当する審判員が派遣されるため、こちらもS級ランクを取得することで可能になる可能性があります。(年齢条件など別の基準あり)
審判のライセンスがなくても試合を担当することができるのか
バスケットボールの5対5の試合形式の練習は、どのチームでも行うことでしょう。
その練習の判定をすることができれば、バスケットボールというゲームの進行自体は比較的問題なく対応可能です。
しかし、JBAやFIBAのような協会が認定する「公式戦」の場合には、公認ライセンスを取得しているレフェリーが担当する必要がありますので、各種公式な大会を行う場合には、審判のライセンスが必要といえます。
そのため、練習試合やJBAなどが絡まないバスケットボールの試合であれば、審判のライセンスはさほど関係はないともいえます。
まとめ
日本バスケットボール協会が発行する審判ライセンスについてまとめました。
審判を志すのであれば、できればS級審判まで辿りつきたいのではないでしょうか。
あくまで日本のバスケットボール協会の基準であるため、海外で審判を行おうとする場合にはさらに違った基準のテストなどがある可能性があります。
このページをバスケットボールライフの参考にしてください。
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