学生時代のバスケの試合ではあまり見られませんが、
プロの試合になった場合には、試合に対して多くの数字が並んだ「スタッツ」というものが記録として残されます。
バスケットボールという競技は、多くの視点からの数字で、
各選手の貢献度や活躍度合いを分析するという傾向があり、
その大きな指標となるものが記録されたものが「スタッツ」として公開されます。
しかし、初心者の方や最近バスケにハマった方々にとっては、
スタッツに記載されたものは、何がなんだか正直わからない言葉や数字ばかりです。
そこで今回は、プロのバスケットボール観戦やバスケライフをより面白くする「スタッツの見方」について、基本的な指標を解説します。
そもそもバスケにおけるスタッツとは?
いきなりバスケットボールのスタッツの見方について解説する前に、
そもそも「スタッツ」とは何か?について、少しお話させていただきます。
そもそも「スタッツ(stats)」は英語の「統計(statistics)」の略称で、
いわゆる統計データというようなイメージで考えていただければOKです。
バスケのスタッツの歴史
バスケットボールというスポーツは、
統計やデータによってトレンドやスキルなどを大きく左右され、進化を遂げてきたスポーツです。
2020年現在、スリーポイントを多用するオフェンスが世界的にトレンドとなっていますが、
これもこのスタッツの分析をした結果によるものです。
ゴール付近での2点シュートを含めて、大抵の選手のシュート成功率は50%前後に収まります。
それに対して、歴代最高シューターの呼び声もあるステフィン・カリーは、スリーポイントシュートの成功率が40%となっています。
2点シュートが50%だとして、10回攻撃をすると、
5本のシュートが成功するので、10得点することができます。
それに対し、スリーポイントを40%で決められるシューターが10回攻撃すると、
4本のスリーポイントが成功するため、12得点できるのです。
このように分析をすると、40%程度決められるスリーポイントシューターに、
スリーポイントを積極的に打たせた方が効率的に得点できるため、2020年のトレンドが出来上がったのです。
このように、スタッツを見るというのは、
バスケの試合を理解してより楽しむために必要な要素なのです。
1試合ごとのスタッツについて
では、ここから具体的なスタッツの見方についてご紹介していきます。
ちなみに、1試合ごとのスタッツは、「ボックススコア」という名前で公開されていることが多いです。
まずはこちらをご覧ください。
出典:https://www.bleague.jp/
Bリーグ 2020-21シーズン開幕戦 アルバルク東京のスタッツより
訳のわからない表現が羅列されていますが、下記で解説させていただきます。
#
大抵の場合で、「#」という項目はスタッツの一番左側に記載されていますが、
こちらは各選手の背番号を表しています。
S
こちらは、スターティングメンバーを表しています。
1チームで5人だけ○などの印がつけられているはずです。
PO
こちらはポジションを表しています。
MIN
こちらは、minutesの略称で、試合出場時間を表しています。
ちなみに、1チーム全員の出場時間の合計は、試合時間の5人分と一致しています。
PTS
こちらは、pointsの略で、得点を表しています。
1試合の中での得点が表示されます。
FGM
この辺りからわかりづらくなってくるのですが、FGMはfield goal madeの略で、「フィールドゴール(フリースロー以外のシュート)の成功率」を表現しています。
FGA
こちらはfield goal attemptの略で、「フィールドゴール試投数(シュート本数)」を表しています。
バスケの解説で「アテンプトが少ない」と言ったりしますが、シュートの本数のことを指しています。
FG%
FG%はフィールドゴールパーセンテージを表しており、
シュート成功数(FGM)÷シュート本数(FGA) = FG% と計算できます。
3FGM
こちらはスリーポイントシュート成功数を表しています。「3point field goal made」の略となります。
3FGA
こちらは、FGAと同じように、スリーポイントシュート試投数(本数)を指しています。
3FG%
こちらもFG%とついているのでご理解いただけると思いますが、
スリーポイントシュート成功率を表しています。
3FGM÷3FGA = 3FG% で計算することができます。
FTM
バスケの世界ではフリースローを「FT」と表現します。
FTMはフリースロー成功数を表しています。
FTA
FTMが成功数であったのに対して、FTAはフリースロー試投数になります。
FT%
こちらは、FG%と同じようにフリースロー成功率を表しています。
FTM ÷ FTA = FT% と計算できます。
OR・DR
ORはオフェンスリバウンド、DRはディフェンスリバウンドを表しています。
オフェンスリバウンドは、自分のチームが放ったシュートのリバウンド、
ディフェンスリバウンドは相手チームが放ったシュートに対してのリバウンドです。
TR
TRはトータルリバウンドを表しています。
OR + DR = TRという数式になります。
AS
ASやAと記載されているのがアシスト数です。
そのプレイヤーが出したパスによって、味方選手が得点した場合に1が記録されます。
TO
ターンオーバー数を表しています。試合によっては、TOVで表現されることがあります。
簡単に言えば、オフェンスの時にボールを失った回数を表現しています。
ST
こちらはスティール数を表しています。
ディフェンス時に相手のボールを奪った数と覚えましょう。
BS
BSやBと表されるこちらの指標は、ブロック数を表しています。
相手のシュートをブロックしたら1がカウントされます。
F
こちらはファウルの数です。1試合中でその選手がコールされたファウルの数です。
ここまでが、ほとんどのスタッツシートに記載されている事項です。
ここから下については、リーグやサイトによって記載されていないことがある指標です。
BSR
こちらはあまりスタッツに記載されませんが、被ブロック数を表しています。
相手選手にシュートをブロックされた数です。
FD
こちらは、被ファウル数を表しています。
該当選手が試合中にファウルを受けた数になります。
EFF
こちらは、エフィシエンシーと呼ばれる、試合に対してのその選手の評価をする指標を表した項目です。
あまり掲載されていることはありませんが、
(得点+リバウンド+アシスト+スティール+ブロック)-(フィールドゴールの失敗数+フリースローの失敗数+ターンオーバー)
という少し複雑な計算式で求められます。
特徴としては、1得点も1リバウンドも「1」とカウントして、シュートの失敗数は「-1」としてカウントする部分です。数字が大きい方が、試合で活躍したということになります。
+/-
NBAではよく見られている指標で、
該当選手が試合に出場している時間だけでの、相手チームとの得点差となります。
+の数字がついている選手は、その選手が出場している時間に、
点差を広げたもしくは、負けている場合には点差を縮めたということになり、
-の数字がついている場合には、点差を詰められたもしくは、負けている場合には広げられたということになり、スタッツには表現できない頑張りなどでチームに貢献しているような選手の評価には持ってこいの指標です。
シーズンスタッツについて
出典:https://www.bleague.jp/
Bリーグ 2019-20シーズン個人スタッツより
シーズンスタッツは、1試合ごとのスタッツとは少し違う指標が掲載されていますので、
そちらの部分をご紹介します。
G
こちらは、Game数を表しています。出場した試合の数です。
GS
こちらは、出場した試合の中で、スターティングメンバーとして出場した数を表しています。
MINPG
こちらは、minites per gameの略で、1試合あたりの平均出場時間です。
PPG
こちらは、points per gameの略で、1試合辺りの平均得点を表しています。
RPG
rebounds per gameの略で、トータルリバウンド数の1試合平均の数字です。
APG
assists per gameの略で、1試合あたりのアシスト数の平均値です。
シーズンスタッツは、得点王やリバウンド王などの個人成績に対するタイトルにも大きく関わってきますし、年俸等々の契約にの根幹にもなるもののため、選手自身も気にする部分です。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。
バスケットボールのスタッツシートには、
ここに記載されていない指標が掲載されていることもありますが、
それに関してはそこまでメジャーな指標ではないため、一旦覚える必要はないでしょう。
データが大きな要素を占めるバスケットボールにおいて、
情報を正しく捉えることができるというのは楽しみでもあり、
大きなプラスとなります。
この記事を参考に、スタッツシートを見つめ意外に活躍している選手を見つけるのもいかがでしょう?
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