バスケットボールのスタッツで最も輝かしいものと見られているのが得点です。
世界最高峰のバスケットボールリーグであるNBAのシーズン得点王となれば、その年の世界中のバスケ選手で最も得点を取ることに優れた選手を指しているといっても過言ではないでしょう。
しかし、一言で「NBAの得点王」と言っても、年によって記録も違いますし、若干基準が変わったりもしています。そこで今回は、NBAの歴代得点王とそれにまつわる豆知識などをご紹介します。
NBAのシーズン得点王の基準は?
ではまず、NBAのシーズン得点王の基準から見ていきます。
基準は1試合平均得点
NBAのシーズン得点王のメインの基準は、「1試合の平均得点」の記録となり、この数字が最も高かった選手が得点王となります。当たり前ですが、3PともFGもフリースローの得点も含まれますので、試合中に得点と認められることをすればOKとなります。ちなみに、このシーズンを通した1試合の平均得点を基準とするルールは、1968-69シーズンに制定されており、それまでのシーズンではシーズンの合計得点が一番多い選手が得点王となるルールになっていました。
平均得点だけでは受賞できない場合も
メインの基準が1試合の平均得点記録であることは、先述した通りですが、実はそれだけでは得点王を受賞できない場合があります。
というのも、1試合平均得点の他に、受賞に関するルールが定められており、
- シーズン82試合中70試合以上出場
- シーズン合計得点1,400点以上
のどちらかをクリアしていなければなりません。
プロ野球の規定打席のようなイメージを持つとわかりやすいかもしれません。
例えば、開幕戦絶好調のある選手が1試合で50得点をして、その試合の終盤で怪我をしてシーズンの残りを全休すれば、その選手の1試合の平均得点は50点となりますが、流石にこれは得点王とは認めにくいと考えられます。
こういった異常値などをできるだけ減らすために、こういった基準が定められています。
ちなみにこの基準は、1974-75シーズンに設定されました。
この基準に照らし合わせると、
出場試合数 | 総得点 | 1試合平均 | |
---|---|---|---|
選手A | 80 | 2,400 | 30 |
選手B | 70 | 2,250 | 32.1 |
選手C | 40 | 1,360 | 34 |
上記の例では、選手Bが得点王となります。
歴代得点王受賞者と記録
では、ここから歴代のNBAシーズン得点王受賞者を一覧で見ていきましょう。
シーズン | 名前 | ポジション | 所属チーム | 1試合平均得点 |
---|---|---|---|---|
1946-47 | ジョー・ファルクス | SF | フィラデルフィア・ウォリアーズ | 23.2 |
1947-48 | マックス・ザスロフスキー | SG | シカゴ・スタッグズ | 21.0 |
1948-49 | ジョージ・マイカン | C | ミネアポリス・レイカーズ | 28.3 |
1949-50 | ジョージ・マイカン | C | ミネアポリス・レイカーズ | 27.4 |
1950-51 | ジョージ・マイカン | C | ミネアポリス・レイカーズ | 28.4 |
1951-52 | ポール・アリジン | SF | フィラデルフィア・ウォリアーズ | 25.4 |
1952-53 | ニール・ジョンストン | C | フィラデルフィア・ウォリアーズ | 22.3 |
1953-54 | ニール・ジョンストン | C | フィラデルフィア・ウォリアーズ | 24.5 |
1954-55 | ニール・ジョンストン | C | フィラデルフィア・ウォリアーズ | 22.7 |
1955-56 | ボブ・ペティット | PF | セントルイス・ホークス | 25.7 |
1956-57 | ポール・アリジン | SF | フィラデルフィア・ウォリアーズ | 25.6 |
1957-58 | ジョージ・ヤードリー | SF | デトロイト・ピストンズ | 27.8 |
1958-59 | ボブ・ペティット | PF | セントルイス・ホークス | 29.2 |
1959-60 | ウィルト・チェンバレン | C | フィラデルフィア・ウォリアーズ | 37.6 |
1960-61 | ウィルト・チェンバレン | C | フィラデルフィア・ウォリアーズ | 38.4 |
1961-62 | ウィルト・チェンバレン | C | フィラデルフィア・ウォリアーズ | 50.4 |
1962-63 | ウィルト・チェンバレン | C | フィラデルフィア・ウォリアーズ | 44.8 |
1963-64 | ウィルト・チェンバレン | C | フィラデルフィア・ウォリアーズ | 36.9 |
1964-65 | ウィルト・チェンバレン | C | フィラデルフィア・ウォリアーズ | 34.7 |
1965-66 | ウィルト・チェンバレン | C | フィラデルフィア・ウォリアーズ | 33.5 |
1966-67 | リック・バリー | SF | サンフランシスコ・ウォリアーズ | 35.6 |
1967-68 | デイブ・ビン | SG | デトロイト・ピストンズ | 27.1 |
1968-69 | エルヴィン・ヘイズ | PF | サンディエゴ・ロケッツ | 28.4 |
1969-70 | ジェリー・ウェスト | SG | ロサンゼルス・レイカーズ | 31.2 |
1970-71 | ルー・アルシンダー(カリーム・アブドゥル・ジャバー) | C | ミルウォーキー・バックス | 31.7 |
1971-72 | カリーム・アブドゥル=ジャバー | C | ミルウォーキー・バックス | 34.8 |
1972-73 | ネイト・アーチボルド | PG | カンザスシティ=オマハ・キングス | 34.0 |
1973-74 | ボブ・マカドゥー | C | バッファロー・ブレーブス | 30.6 |
1974-75 | ボブ・マカドゥー | C | バッファロー・ブレーブス | 34.5 |
1975-76 | ボブ・マカドゥー | C | バッファロー・ブレーブス | 31.1 |
1976-77 | ピート・マラビッチ | SG | ニューオーリンズ・ジャズ | 31.1 |
1977-78 | ジョージ・ガービン | SF | サンアントニオ・スパーズ | 27.2 |
1978-79 | ジョージ・ガービン | SF | サンアントニオ・スパーズ | 29.6 |
1979-80 | ジョージ・ガービン | SF | サンアントニオ・スパーズ | 33.1 |
1980-81 | エイドリアン・ダントリー | SF | ユタ・ジャズ | 30.7 |
1981-82 | ジョージ・ガービン | SF | サンアントニオ・スパーズ | 32.3 |
1982-83 | アレックス・イングリッシュ | SF | デンバー・ナゲッツ | 28.4 |
1983-84 | エイドリアン・ダントリー | SF | ユタ・ジャズ | 30.6 |
1984-85 | バーナード・キング | SF | ニューヨーク・ニックス | 32.9 |
1985-86 | ドミニク・ウィルキンス | SF | アトランタ・ホークス | 30.3 |
1986-87 | マイケル・ジョーダン | SG | シカゴ・ブルズ | 37.1 |
1987-88 | マイケル・ジョーダン | SG | シカゴ・ブルズ | 35.0 |
1988-89 | マイケル・ジョーダン | SG | シカゴ・ブルズ | 32.5 |
1989-90 | マイケル・ジョーダン | SG | シカゴ・ブルズ | 33.6 |
1990-91 | マイケル・ジョーダン | SG | シカゴ・ブルズ | 31.5 |
1991-92 | マイケル・ジョーダン | SG | シカゴ・ブルズ | 30.1 |
1992-93 | マイケル・ジョーダン | SG | シカゴ・ブルズ | 32.6 |
1993-94 | デビッド・ロビンソン | C | サンアントニオ・スパーズ | 29.8 |
1994-95 | シャキール・オニール | C | オーランド・マジック | 29.3 |
1995-96 | マイケル・ジョーダン | SG | シカゴ・ブルズ | 30.4 |
1996-97 | マイケル・ジョーダン | SG | シカゴ・ブルズ | 29.6 |
1997-98 | マイケル・ジョーダン | SG | シカゴ・ブルズ | 28.7 |
1998-99 | アレン・アイバーソン | PG | フィラデルフィア・セブンティシクサーズ | 26.8 |
1999-2000 | シャキール・オニール | C | ロサンゼルス・レイカーズ | 29.7 |
2000-01 | アレン・アイバーソン | PG | フィラデルフィア・セブンティシクサーズ | 31.1 |
2001-02 | アレン・アイバーソン | PG | フィラデルフィア・セブンティシクサーズ | 31.4 |
2002-03 | トレイシー・マグレディ | SF | オーランド・マジック | 32.1 |
2003-04 | トレイシー・マグレディ | SF | オーランド・マジック | 28.0 |
2004-05 | アレン・アイバーソン | PG | フィラデルフィア・セブンティシクサーズ | 30.7 |
2005-06 | コービー・ブライアント | SG | ロサンゼルス・レイカーズ | 35.4 |
2006-07 | コービー・ブライアント | SG | ロサンゼルス・レイカーズ | 31.6 |
2007-08 | レブロン・ジェームズ | SF | クリーブランド・キャバリアーズ | 30.0 |
2008-09 | ドウェイン・ウェイド | SG | マイアミ・ヒート | 30.2 |
2009-10 | ケビン・デュラント | SF | オクラホマシティ・サンダー | 30.1 |
2010-11 | ケビン・デュラント | SF | オクラホマシティ・サンダー | 27.7 |
2011-12 | ケビン・デュラント | SF | オクラホマシティ・サンダー | 28.0 |
2012-13 | カーメロ・アンソニー | SF | ニューヨーク・ニックス | 28.7 |
2013-14 | ケビン・デュラント | SF | オクラホマシティ・サンダー | 32.0 |
2014-15 | ラッセル・ウェストブルック | PG | オクラホマシティ・サンダー | 28.1 |
2015-16 | ステフィン・カリー | PG | ゴールデンステート・ウォリアーズ | 30.1 |
2016-17 | ラッセル・ウェストブルック | PG | オクラホマシティ・サンダー | 31.6 |
2017-18 | ジェームズ・ハーデン | SG | ヒューストン・ロケッツ | 30.4 |
2018-19 | ジェームズ・ハーデン | SG | ヒューストン・ロケッツ | 36.1 |
2019-20 | ジェームズ・ハーデン | SG | ヒューストン・ロケッツ | 34.3 |
NBA得点王に関する豆知識
NBAはすでに70年以上続いているリーグですので、一覧で見るとなかなか見にくいところも正直あるかと思いますので、NBAの得点王に関するピックアップ情報をご紹介します。
最多受賞者
NBAのシーズン得点王を最も多く受賞したのは、バスケの神様ことマイケル・ジョーダンです。
通算で10回も受賞しており、2位のウィルト・チェンバレンの7回、3位ジョージ・ガービン、アレン・アイバーソン、ケビン・デュラントの4回を大きく引き離しています。
ちなみに、ジョーダンはNBAで15シーズンを過ごしていますが、まともなシーズンはシカゴブルズでの13シーズン。その13年で10回受賞しており、その得点力の異常さがわかるでしょう。
最高記録
得点王の基準となる、1試合の平均得点の最高記録は、1961-62シーズンのウィルト・チェンバレンが記録した50.4得点です。1試合の平均が50点を超えるという超異常現象であることは見てわかると思います。
ちなみに、チェンバレンの有名な100点ゲームはこのシーズンに樹立されました。
最低記録
チェンバレンと逆に1試合平均得点が最も低い数値で得点王を受賞したのは、1947-48シーズンのマックス・ザスロフスキーで、21.0点という記録でした。
当時のバスケットボールにはショットクロックがなく、比較的にロースコアゲームが多かったため、
このような記録ができたと考えられます。
最年少・最高齢記録
シーズン得点王を受賞したタイミングの年齢が最も低かったのは、2009-10シーズンのケビン・デュラントの21歳です。逆に最高齢でシーズン得点王となったのは、1997-98シーズンのマイケル・ジョーダンで35歳での受賞となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
NBAで得点王を受賞するというのは、印象としてはMVPにも等しいようなものでしょう。
世界の中でNo.1バスケ選手の称号でもあるため、ここに記載されている人は、
全て超人の域に達したスコアラーです。
その中で10回も受賞している神様マイケル・ジョーダンはやはり異常なほどすごいということがわかりますね。
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