バスケの世界には、「アウトナンバー」という言葉があります。
部活などでプレイヤーとして練習していれば、必ず聞く言葉でしょうし、Bリーグなどのプロの試合を観戦してても、解説でほぼ必ず使われている言葉です。
しかし、やはり初心者にはなかなかわかりにくいところがあると思いますので、今回は初心者向けバスケメディアであるブザビが、「アウトナンバー」の意味と関連する戦術についてご紹介します。
アウトナンバーの意味と意義
では早速、アウトナンバーという用語の意味を解説します。
ズバリ、アウトナンバーとは、「オフェンス側の選手の数が、ディフェンス側の選手の数より多くなっていること」を指します。
もちろん、バスケットボールは5対5で行われるスポーツですので、ここでの「ディフェンスよりもオフェンスの選手の数が多い」のは、「ボールのある位置から攻撃する側のゴールの間にいる選手の数が、ディフェンスよりもオフェンスの選手の方が多い」という状況のことを指しています。
アウトナンバーの意義
では、そういった場面をなぜわざわざ名付けているのかというと、「バスケットボールというスポーツは、数的有利な状況を作るように動くと有利だから」という一言につきます。
サッカーと比べ人数が少なく、ゴールキーパーのような存在がいないスポーツであるため、ディフェンスが守っていないオフェンスの選手がボールを持てば、簡単に得点できるスポーツであるため、誰かが「フリー」になっている状態は非常に重要なのです。
アウトナンバーのパターン
アウトナンバーのパターンは、理論上は、
- 5対0
- 5対1
- 5対2
- 5対3
- 5対4
- 4対0
- 4対1
- 4対2
- 4対3
- 3対0
- 3対1
- 3対2
- 2対0
- 2対1
- 1対0
と15パターンありますが、実際の試合でよく起こるアウトナンバーのパターンは、
「5対4」「4対3」「3対2」「2対1」の4パターンで、「3対2」と「2対1」が最もよく起こり得るパターンです。
リバウンドやスティールなどでのカウンターの場面でよくこのアウトナンバーが起こります。
アウトナンバーに関連する戦術や動き
バスケにおいて、アウトナンバーが重要なことはご理解いただけたかと思いますので、ここからは、実際にアウトナンバーに関連する戦術や選手の動きなどをご紹介します。
カウンターアタック
戦術というよりも、チームの狙いに近くなりますが、ディフェンスを頑張ってボールを奪い、カウンターを仕掛けることで、アウトナンバーがよく発生します。特にスティールした場合などは、相手チームの重心が攻める方向に行っている中なので、味方チームの他の選手が走ることによって、アウトナンバーが発生します。
2対1と3対2がよく発生するため、速攻の上手いチームは大抵の場合、カウンターのタイミングでボールを奪った選手と他の2人の選手が走っていきます。
スクリーン(ピック&ロール)
明確なアウトナンバーと少し違いますが、ピック&ロールでもアウトナンバーによく似た形が作られます。
ドリブルをしている味方にインサイドの選手が近づいていき、スクリーンをかけてディフェンスがスイッチした場合、この時に、スクリーンをかけた選手がロールやダイブなどの動きで、ゴールにアタックするとボールのラインからゴールまでの間で、ボールマンとスクリーンをかけた選手のオフェンス2人と、スクリーンを受けてスイッチしたインサイドの選手1人というアウトナンバーのような状況を作り出すことができます。
ディフェンス側の戦術や対応
ゾーンディフェンス
ハーフコートでのゾーンディフェンスを行う際、ディフェンスのタイミングではまずチーム全員が自陣に帰ることをメインに考えるので、速攻でのアウトナンバーを作らせない戦略としても使われます。ゾーンディフェンスが何かはこちらの記事をご覧ください。
カバー(ヘルプ)ディフェンス
味方のディフェンス選手が抜かれた際や、フェイントに引っかかったタイミング、そしてフリーのオフェンスの選手を見つけた際に、ディフェンスの選手が自分の持ち場やマークマンを離れて、ボールマンなど一番危険な選手に対してチェックにいく行為です。こうすることで、ディフェンスの味方選手が抜かれたりしてアウトナンバーになってしまったとしても、得点までは簡単に許さないという守り方ができます。
ちなみに、ディフェンスを評価されているNBAの渡邊雄太選手はこのヘルプディフェンスがとても上手く、チームで守るというような特徴のある選手ですので、勉強になると思います。
最後に
アウトナンバーは、オフェンス側の視点で見れば、「得点を決めなければならない」という場面です。
逆に言えば、ディフェンス側はアウトナンバーの時に簡単に得点を許さなければ、大きく引き離されたりすることはないでしょう。
バスケットボールにおいて、一瞬だけど非常に大きな意味を持つ言葉ですので、今後バスケットボールを楽しむために覚えておくと良いでしょう。
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